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江戸川乱歩という迷宮

更新日:11月18日

日本の探偵小説について考えるとき、まずは「江戸川乱歩」が思い浮かぶ人は多いと思います。

エドガー・アラン・ポーへの敬意を込めたペンネームであり、日本における推理小説の原点を象徴する作家でもあります。


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乱歩の作品は、論理と謎解きを日本に根づかせたといっても過言ではないと思います。

デビュー作『二銭銅貨』や『D坂の殺人事件』は、暗号、密室、心理トリックといった本格推理もので、とても読み応えのあるものでした。


一方、『陰獣』『パノラマ島綺譚』『押絵と旅する男』では、倒錯的な心理描写や幻想的な舞台が中心となり、論理性よりも雰囲気や異常性が重視される作品が増えてきました。


自分が乱歩を知るきっかけになったのは「少年探偵団」シリーズでした。

小学校の図書館には必ずと言っていいほど置いてありました。

自分がミステリー小説を読むきっかけになったのもこのシリーズからです。

夢中になって読んだものです。


「少年探偵団」シリーズは、ジュブナイル文学の始まりでもありました。

明智小五郎と小林少年、そして怪人二十面相の対決は、子どもに「推理する楽しさ」と「正義の力」を教えてくれたと思いますね。


エロ・グロといった倒錯的かつ幻想的な小説家であり、また子どもたちに推理小説の魅力を広めたジュブナイル作家という二面性を持つ稀有な作家だと思います。


エロ・グロ系の作品は、読む人を選びますが、初期の短編・中編は本格推理ものとしては非常に面白いので読んでみることをお勧めします。


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